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道に迷ったピエロ

ピエロはおどける事が大好きだった。
おどけるとみんな笑ってくれた。
ピエロはおどけた。みんなが笑顔になってくれるから。

だけど、ある日、君のおどろけてる姿は滑稽だと怒られた。

ピエロは、おどけることを忘れてしまった。

みんなが笑顔で入れればと思った。
けど、自分がピエロでいればいるほど、
皆は、不快に感じるようになった。

ピエロはピエロでさえいれなくなった。

人の幸せがわからなくなった。
ピエロでも踊り続けられたなら、
それはそれで幸せだったんだろう。

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月と影3(最終)

月も「僕があそこにいるのだから、少しの明りはあっただろうからね…」と肩を落とし、星たちもしょぼくれてしまった。

次の日の朝、人間の世界でも、そりゃぁ、大騒ぎだった。突然、夜空から月や星たちがいなくなってしまったのだから。
「何か悪い事が怒る前触れじゃないか」と人々は不気味がった。
まこちゃんの家でも、ママがキッチンでカップにコーヒーを注ぎながら「困ったわね」と何度も繰り返し、「これじゃ、仕事から帰ってくるのもひと苦労だな」とパパもため息をこぼしながら、パンをほおばった。
「それに…」ママはまこちゃんの顔をちらっと見ると「こんな暗闇の中、まこをお留守番させるのも心配だわ。でも、仕事も休めないし…」と肩を落とした。パパもまこちゃんを心配そうに見つめている。まこちゃんは何も言えず、口をもごもごさせながら、食べかけのパンをお皿に戻し、「まこ、ご飯はもういいの~?」というママの声を「うん。いらない」と跳ね除けると、バタバタと階段を駆け上り自分の部屋へ飛び込んだ。
そっと、ベットの中に隠しておいた箱を開け「今日はおかえりね」と少し名残惜しそうに、月や星たちに囁いたが、顔はしょんぼりとしていたものだから、星たちは「大丈夫。ぼくらは、いつでもお空にいるよ」「お空から、まこちゃんの事を、ちゃんと見守っているからね」とまこちゃんを、なぐさめた。
「まこね。パパもママもお仕事で帰ってくるのが遅いから、寂しくて…お月さまやお星様を独り占めしたかったんだ…」俯いたいた顔を、きりっとあげると「でも、大丈夫。パパもママもまこの事を、ちゃんと思っていてくれているから。お空でお月さまもお星様も見守ってくれているものね」とニッコリとほほ笑んだ。

太陽が落ちたころ。まこちゃんが、元気よくパーンっと箱をあけると、光がはじけ、まるで流れるように月や星たちが夜空に戻ってゆく。大きく手を振って、まこちゃんは笑顔でそれを見送った。
月や星たちが空にいる。それは見慣れた当たり前の光景だったが、だれもが空を見上げ、そして、月や星たちが空に戻ると、大きな歓声と拍手が沸き起こったんだ。それはそれは不思議な夜の始まりの合図のだった。
タヌキやフクロウや猫も、すまなさそうに月と星たちを歓迎した。猫は「ごめんなさい。僕ら、どうかしていたんだ…影があんな事をいうから…」と頭を下げた。タヌキも続いて「悪かったな。影の奴にまんまと騙されちまった」とつぶやく。フクロウも「ごめんよ。すべて影の入れ知恵なんだ」と月や星たちにふかぶかと頭を下げて謝った。
だけど、月や星たちはとても悲しい顔をして一点を見つめている。
「ごめんよ。さぞ、夜は寂しかっただろう?」
月がそういうとポロポロと大粒の涙を流して、泣きだしたものだから、タヌキも猫もフクロウも驚いて目を丸めた。
月の視点の先をたどっていくと、そこには月明かりに照らされた薄い影が恨めしそうな目をして立っている。
「お前っ、いつからそこにいたんだ!!!」タヌキが、乱暴に問いただすと、
「ぼくは…ぼくは、ずっと、ここにいたよ」
俯いて影がポツリと言葉をこぼしたかと思うと、顔をあげ「ずっと、ずっと、僕はここにいたんだっ!!!」とまるで、悲鳴のあげるように叫んだ。あっけにとられているタヌキや猫やフクロウをよそに、月が「そう、君はずっとそこにいたんだね。長い長い夜の端にね」とやさしく言うと、星たちも口々に「ごめんよ」「ごめんね。気がついてあげられなくて」影に向かって、次々に謝ったんだ。こぶしを握りしめ、影は困ったように俯いた。

「さぁ、パーティーを始めようじゃないか」
月は声を張り上げほほ笑んだ。星たちも、キラキラと輝いてリズムを取り始めた。
「ほらっ、今日の主役は君さ」
月は影にスポットライトをあてた。戸惑う影を後押しするように、星たちがキラキラと楽しいリズムで影を誘い込む。
影は少し恥ずかしそうにステップを踏んだ。
「君はそこにいるよ」月がほほ笑む。
「僕はここにいるんだ」影も笑う。
ダンスにも力が入る「だれにも気がつかれなくても、僕はずっとここで踊っていたんだ」
影は、跳びはね、可憐に回り、鮮やかにステップを踏む。 
「うわぁ~」夜の世界に歓声が響いた。
それは、月も星たちも、タヌキも猫もフクロウもそのダンスに見とれるほど、とても、とても、素敵なダンスだったんだ。
月は言う。「君は影。光で生まれ光と生きてゆく」影も言う「僕は影。光で生まれ、光とともに生きてゆくんだ」
タヌキも猫もフクロウもあまりに、影のダンスが素敵だったものだから、思わず、手拍子して影に見とれ、そして、ともに、いつしか、いつもの夜のように踊りだしたんだ。影は、少し驚いたようだったが照れくさそうに笑った。それは、それは、楽しい夜だった。まるで、夜が一瞬に終わっていくような…そんな夜だったんだ。

『ねえ、これは君たちの知らない夜の世界の物語。だけど、君の周りにはいないかい? 影やタヌキやフクロウや猫。月や星たちが。
ねえ、届くといいなって思うんだ。この夜の物語が…君にさ…』

日が暮れ、ほら、今日もまこちゃんへのおやすみを合図に、夜のパーティーが始まるよ。
そう。そして、また、新しい物語が作られてゆくんだ。あなたの知らない夜の物語。

『そして、君は君の物語をゆくんだ。
そう。ほら、君にしか作れない物語を…。』


月と影2

タヌキや猫やフクロウに囲まれて、影は、ほのかな月の光に照らされておどけて踊った。
その踊りがあまりにおかしいものだから、タヌキもフクロウも猫もケラケラ声をあげて笑った。それは、それは、楽しい夜だった。
そう……。月と星たちを除いては……。みんなの笑顔が輝けば輝くほどに、みんなの笑い声が楽しそうであればあるほど、月も星たちはとても寂しい気持ちになったんだ。その夜も長い長い夜で…月や星たちは夜が嫌いになりそうだった。

そんな日が続いたある日の夜。
「元気がないっ」窓から空を見上げた、まこちゃんは、月や星たちに怒り、続けて「お月さまやお星様が元気ないと、まこまで、元気なくしちゃうよ」とか細くつぶやいた。
月は「なんて事ないよ」とうわべの元気を作り、まこちゃんに、笑いかけたが…「そんなはずないさ」「そんなはずない」星たちが口々に怒りだしてしまった。
「影のせいで、ぼくら居場所がなくなって、しまったんだっ!!!」月が「これっ」と止めるのを、押しきるようにひとつの星が言った。
「そっか…」まこちゃんは、最初は少しさびしそうだったけど、「そうだっ」と突然、目をキラキラと輝かせた。
「じゃぁ、まことずっと一緒にいればいいんだよ」そういうと、部屋の奥から、この間のスパンコールの箱を持ち出してきて、元気よく箱を開いたものだから、月は困ってしまったが、星たちは「そうしよう」「そうだ、どうせ、僕らなんていない方がいいだから」「まこちゃんと一緒にいた方が楽しいよ」と口々に月におねだりをし、強引に月を箱の中にひっぱりこんでしまった。月も星たちも夜の空から流れるように、まこちゃんの箱の中に入っていく。
「うわぁ~!!!まるで、宝石箱みたい」箱の中をのぞき込み、まこちゃんは目をキラキラと輝かせ、歓声をあげた。今にも飛び出してきそうな勢いで光がきらめいているものだから、うれしくてたまらなかった。だけど…空を見上げれば、そこには底しぬ闇が永遠に続いているようなおぞましさが襲う。ブルッと小さな体を振るわせると、窓をパタンとしめ、まこちゃんは、ぎゅっと、箱を抱きしめ、ベットにもぐりこんだ。

そのころ、タヌキやフクロウ・ネコたちは、真っ暗の空の下でご立腹だった。
タヌキは「ただでさえ、役に立たない癖に仕事をさぼるとは、なんてことだ」といらだった。「暗くて怖いよ」猫たちは泣きながら怒った。フクロウはポーポーと立ちつくしたが、しばらくすると…みんな言葉をなくしてしまい…、ただ、みんな、ぼんやりと何もなくなった真っ暗な空をぼんやり眺めていた。空の上の月や星たちのキラキラとした笑顔が、心の中にふんわりと流れて、消えた。
猫がふいに「でも…お月さまがいないと困らない?」とモジモジと言葉をこぼした。
「そりゃぁ…」タヌキは少しバツが悪そうに口をにごらせた。フクロウは「ポーポー」と猫に同意した。
「今まで、楽しくやってきたのになぁ」と猫がため息まじりにポツリとつぶやくと、タヌキが「そういやぁ…何で昼が妬ましいと思ったんだ?」と首をかしげた。すると、フクロウが「影が言ったんだ。月や星しかしらない君たちは不幸だって…」とぼやき、「僕ら、今まで楽しくやってきたのに、本当に不幸なのかな?」と付け加えて、黙り込んでしまった。みんな頭の中でそれぞれ何か考えている様子だったが…沈黙を破る様に、タヌキが突然、おなかをポーンと大きくならすと、「影がぜーんぶ、悪いんじゃねえかっ」と声を張り上げたものだから、猫も「そうだ。そうだ」とニャンニャンと泣き、フクロウも「ボーボー」と同意して、ないた。

そのころ、まこちゃんに、抱かれた箱の中でも、星たちが同じようなお話をしていた。
「影さえ、こなきゃ、こんなことにならなかったのに」「あいつが余計な事を言うから」「みんなだって、そうだ今まで楽しくやってきたのに、急に悪者扱いなんてひどいよ」星の中には泣きだす者までいた。月はそっと、それをなだめ「大丈夫、きっと、みんなわかってくれるから」と泣いている星たちの背中をやさしくさすってやった。
そんな中、「そう言えば…」ひとつの星が何かを言いかけて、口をつぐんだ。
月が「何だい?」と聞き返すと、星は少しバツが悪そうに「そう言えば…影はいつからあそこにいたんだろう?」と言葉をおとした。『…………。』
月も星たちも、目をまんまるにして驚いた。そして…俯いて、言葉をなくしてしまったんだ。「ずっと、いたに違いないよ」一つの星が、そう。ポツリとつぶやくまでは…。


「月と影」1

少し気恥ずかしそうに、まこちゃんは、窓から顔をのぞかせると「ふぅ~っ」と大きく息を吸いこませ「今日もご苦労さま~」と大声を吐きだし、夜空に響かせる。
それに応えて、星がキラキラと揺らめき。月がポワポワと光を浮かばせる。

『ほら、夜が始まるよ……。
これは、みんなが知らない夜空の物語なんだ。ねえ、この物語が君の心に届けば、なんて素敵なのだろう』

まこちゃんは、背中に隠していたスパンコールがきれいに散りばめられた箱を、モジモジしながら、差し出すと「この箱を…お月さまとお星様のお家にできないかな?」と今度はかぼそい声で囁いた。月も星たちも目をキョトンとさせ、目をチカチカさせたが…どうしたものかと首をかしげ黙り込んでしまった。「そっか、そうだよね…」そのそぶりを見て、まこちゃんは「まこは、ただ、昼も夜もお月さまやお星様と一緒にいたかったの…」と弱弱しく言葉を落とすと、小さな口をつぐんでしまった。困った月や星たちも黙りこんでしまい、たちまち、夜空に沈黙が流れたが、それをやぶるように、1つの星が突然、大声をあげて笑ったんだ。
「はははっ」って「ぼくら、まこちゃんに、モテるなんて大歓迎だよ」と、そしてほほ笑んだ。ゆっくり緩んだ、まこちゃんの顔をみて、月もうれしそうに「夜しか会えないのもロマンチックだと思わないかい?」と少しはずかしそうに照れ笑いをした。星たちも、まるで拍手するようにピカピカと輝いたものだから、まこちゃんも、笑顔でそれに応えた。
月や星たちに見守られながら、まこちゃんが眠りにつくころ、夜はふけ、ひっそりと夜のパーティーが始まるんだ。
「まこちゃん、おやすみ。よい夢を」
それがまるでパーティー開催の合図のようにね。
月や星たちは、にぎやかに上手に光りを使って、リズムをとりながら、
「真っ暗な夜はさも寂しかろう? 僕らのやさしい光で、今日も楽しくすごそうじゃないか」夜の住民の猫やフクロウ・タヌキに明りをともすんだ。そのライトを体中にあびて、猫は軽やかに飛びはね。フクロウはポーポーと空を飛び、タヌキはあぐらをかきながら、毎晩、夜明けまで踊り明かした。それは、それは楽しい夜だ。この夜にさびしい者なんてだれもいない、そう思い込んでしまうほどに、夜の世界は素敵に輝いていた。

だけど、今夜はちょいと、様子が違うようだ…。タヌキが突然、「夜より昼の住民の方が幸せだっていうのは、本当なのかっ!!!」と藪から棒に月に言い放ったかと思うと、月の返答をまたぬまま、今度はフクロウが「昼には、月より暖かくて、いっぱい光る太陽というのが、いるというのは本当かい?」と月を責めるように問いただしたのだ。夜の世界はザワザワ音をたてたが、当人の月や星たちはあまりに思いがけない出来事にとまどって、言葉をなくしてしまった…。すると、それに付け入る様に、タヌキが「本当なんだなっ」と意気込んだものだから、夜の世界はよりザワザワと大きく混乱した。
夜も昼も知る猫が、「う~ん。太陽はピカピカ明るいよ。でも…お月さまもきれいだよ」と頼りなく小声で口をはさむと、辺りはシーンと静まり返り、タヌキもフクロウも黙って考えこんでしまった。
すると、「何、甘っちょろい事言ってやがるんだっ!!」空が飛びあがるかと思うぐらい大きな怒鳴り声が、夜の世界に響き渡ったんだ。皆が一同に振り変えると、そこには、目を凝らさなければ見えないほど、薄っすらとした影が立っていた。
「月は僕の敵だ。月は僕をこんなにも薄くしてしまうんだ…」しょげた影が目にいっぱい涙をためて訴えると、「本当だ」猫は驚いて目を丸めた。タヌキは「ひでぇ、奴だな。こんな目に合わせるなんて」冷たい目で月を見た。フクロウは、月を責めるように、ポーポーと影を見て泣いた。
月も星たちも、目に沢山の涙をためていたが、だれも気がついてはくれない。言葉を見つける事ができず、ただ、肩を落とした。その夜は、月と星たちにとって、とても、長い長い夜だった。

それからというもの、月や星たちは今までの関係が嘘のように悪者となった。
「なんで、もっと光らないんだっ!!!」影は毎日のように月を馬頭し、タヌキや猫・フクロウも「そうだ。そうだ」と続いて月を責めた。そんな夜も、まこちゃんへの「おやすみ」を合図に、夜のパーティーが始まる。


星の名前

夜空を見上げると、たくさんの星があるでしょ。
その星のひとつひとつにもちゃんと名前があるんだ。
それは下界の人間がその星を見つけてくれた証拠なんだって。

いつしか、夜の空でも、人間がつけた名前でぼくら呼び合うようになったんだ。

だけど…だれも僕を呼んではくれない。
そう、だれにも見つけてもらえなかった星だから…。
僕には名前がない。

僕は下界に向かっていっぱい叫んだんだ。
「僕だっているんだよー」って。
でも、だれも気がついてくれないんだ。
僕はだれかに気がついてほしくてたまらなかった。
だって、僕はここにいるんだもの。

そんなある日、一人の人間が僕を見つけて、僕に名前をつけてくれたんだ。
それはもう、僕はとてもとてもうれしかった。
その人間に感謝し、その日から、僕はその人間を見守ろうって決めたんだ。

なのに…その人間は僕を見つけた事をまわりの人たちにえらく自慢して、
「あの星は僕の星だ。僕の名をつけたんだ」
なんて、言いふらして、まるで偉そうなんだ。

僕は悲しかったよ。
だって、僕は僕だ。だれの星でもない。

そして、名前なんて形でしかないんだと僕は気がついたんだ。
やっと、僕に名前ができて、みんなと一緒になれたけど、何ひとつ変わらなかった。
僕は…僕は…僕が、探さなくてはいけなかったんだ。
そう思うと、僕の心は少しふんわりと軽やかになった。
僕はずっと、だれかに道を作ってもらうことばかり考えていた。

本当は、僕の力で未来を作れるのだ。
失敗するかもしれない。ころぶかもしれない。
それでも可能性は僕の中だけに、うまっている。そう思うと僕は自然とキラキラと輝いた。

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